someone's diary

生活の記録。

ある日の居酒屋の一幕

 

‪昨日、先輩と駅の近くの居酒屋で飲んでいたら、後ろの席に大学生の5人組が入ってきた。‬

‪例によってなんだかワイワイやっており、やたらジントニックを頼みがちで、とても楽しそうである。‬

 

横国生だなと思って、春だと浮かれがちな大学生を斜めに見つつ、先輩と話を続けた。‬

 

 

‪天パの男の声が聞こえた。‬

 

 

‪『俺なんてサァ、1週間働いてきゅうり一本しか貰えないんだぜ?』

 

 

‪僕と先輩は顔を見合わせ、数秒後に笑いを堪えられずに吹き出した。‬

 

‪このご時世に前代未聞のダークマター企業が存在した。それじゃ河童だって喜ばない。"時給1きゅうり"だとして、50本くらいは欲しいものである。‬

 

ただのうるさい典型的大学生と思っていたのに、数ある選択肢の中からきゅうりを選び出すセンス。きゅうり、もう語感が面白い。きゅうりがゲシュタルト崩壊してゆく。

 

 

‪その後も『酔って電柱に登った』だの『標識に抱きついた』だのといういかにも大学生といった話が続いたが、"1週間できゅうり一本"の衝撃が強すぎて、他の話はまるで響かない。多分、あっちの席の4人もそうだったのではないか。

 

‪きゅうり一本しか貰えないなら、ここの居酒屋の料理はさぞ美味かろう。チラと見るととてもニコニコしていた。

 

‪しかし、居酒屋の会話というものは、意外と周りに聞こえているものだと思った。盗み聞きは品が無いが、酔っ払いの声は聞く気がなくても鼓膜に届く。‬僕らの話も知らない誰かの肴になっているかも知れない。

 

 

 

‪帰り道は‬、イヤホンを忘れたので自前で歌いながらハイウェイの下を歩いた。僕なりの防犯対策です。