someone's diary

生活の記録。

そう言って彼が教授を絶句させたとして、僕等は無責任な友人同士だから

課題が終わらなかったので、友人の部屋に行って終わるまで頑張ることになった。

 

フーリエ級数展開を用いてのこぎりの形の波形を描くプログラムを作りなさい、という課題だった。

 

 

全く大した内容ではない(教科書の第1章に出て来るような内容である)のだけど、プログラムを書くのが半年ぶりくらいなので、かなり不安だった。これは、明日の朝出さなければいけない課題なのだ。

 

 

友達は経済学部の学生で、コイツはコイツでゼミ発表の準備が全然終わってなかった。

 

 

間違いなく効率は下がるだろうが、一緒にいた方が精神的に楽だ。

 

 

取り敢えず、教科書を読んで、級数展開の式を計算して、コードを書いてみた。

 

 

なんだ、結構覚えてるじゃないかと安堵したり、でも大学3年生にしては低レベルだなぁなどと落ち込んだりしながらなんとか書き終えて、コンパイルしたら通ってしまった。意外と早く終わるんじゃないか??

 

 

彼の方は、女性雇用と企業業績とかいう内容を調査するようで、色々資料を漁っているらしかった。興奮しているので聞いてみたら、文献を読むのが楽しいらしい。ハイになっていて、やたら良さを語るので何が素晴らしいのかを聞くと『なんか学術的で凄い』という小学2年生みたいな感想が返ってきた。

 

彼によると『社内保育園があると、女性が働きやすくなる』らしい。それは、当たり前だ。

 

 

さて、プログラムの方はいざ実行すると結果が全く出力されない。どうやら出力を命令するところで一部の順番が逆になっていたらしい。直してみたら結果は出るようになったのだけど、全部0で出てきた。ファック。

 

 

『永遠のゼロじゃん』

 

僕がエラーを起こすたびに彼はケタケタ笑っていた。プログラミングは基本的には途中から間違い探しゲームみたいになるから、発狂しそうになる。うおおお。

 

日付が変わった頃、やっとまともなプログラムが作れた。

 

結果的にアルゴリズム自体は合っていたのだけど、プログラミングの文法間違いが多過ぎて、全部直すのにたっぷり3時間はかかった。寧ろなぜ最初は問題なくコンパイルが済んだのか謎である。頑張った甲斐あってなかなか気持ちのいいグラフが書けた。

 

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▲気持ち良い!!!!

 

何のことはないつまらないグラフなのに、苦労したせいですごく素晴らしいものに思えてくる。

 

 

iPhoneを見たら、先輩から『金曜日の飲み会には誰を呼ぶか』というLINEがきておった。でも、僕は欲しかったグラフが書けたのが気持ち良すぎて、今の状況を少し打った後質問を無視してグラフの画像を送り、『気持ちよすぎてイキそうだよ』と送信した。

 

 

後で見たら『何で友達いる前でイケるんだよ』と返信が来ていたので、確かに…と思い、僕の方も友達の前でecstasyに達する自分を想像してみたが、面白すぎるのでやめた。

 

彼の方は文献探しが難航しているらしい。先行研究が少ないらしいのだ。そして、しばらくブツブツ言ったのち、こう口にしたのだった。

 

 

 

『…っていうか、これマクロ経済学じゃなくね?』

 

専門的内容は、僕には全然分からなかったけど要するに、ゼミメンバーはかなり見当違いな題材を選んでしまったということだった。経済学にはマクロ経済学ミクロ経済学の2種類があるらしく、彼のゼミはマクロ経済学のゼミだからだ。これは衝撃である。全然違う畑を耕していたのだ。

 

 

 

『結論も経営っぽい感じになるし、マクロじゃなくてミクロ的だし、これゼミ発表の題材として不適切だと思うんだよね…なんで教授はGoサイン出したんだろう…?』

 

分からないなりに彼の話を聞いていて思ったのだが、確かにどうしても個人規模の議論になっている感じがしたし(働きやすさとか、労働効率とかの話ばかりだった)、そもそも経済学の割に全く数式とか出てこない。なにより、理屈というかお話ばかりで、どうやって検証するかという点がふわふわしすぎている。ゼミってそんなもんなのか?

 

 

 

大学での友情とは、ぺらっぺらの薄いもので、それ故に必要であったりするのだけど、僕にとっては彼のゼミ発表など所詮他人事で、成功しようが失敗しようがどうでもいい。彼にとっても僕のグラフなどただのお絵かき同然だっただろう。大学でまともな友情を育めると思ってる人の気が知れぬ。そんなものは青春時代に作るものだ。

 

 

 

『いや、大丈夫だよ。そのテーマのままいこう。大は小を兼ねるんだから、マクロ経済は、要するにミクロ経済なんだよ。教授と、ゼミ生に向かってこう言ってやりな。

「先生、ご存知でしたか。ミクロ経済学は、マクロ経済学なんですよ。」

ついでに言えば、経済学部も経営学部も一文字しか違わないんだから、内容が経営っぽくても良いんだよ。経営学とは、経済学だったんだよ。』

 


僕は自分の課題が終わっていたので、適当なことを言って無責任な自由を楽しむことができるのだった。

 

 

 

そして彼は

『イイじゃん!そうか、マクロ経済は、ミクロ経済だったのか!』

 

と言いながら、パソコンを閉じ、寝る支度を始めた。明日の1限講義中に続きをやるらしい。僕は、朝起きる自信も気合いも足りていないので、彼にモーニングコールを頼んで自分の部屋へと戻った。僕は朝起きれないことになら自信がある!

 

 

今日の僕の成果: ジグザグのグラフを描いた

今日の友人の成果: 研究内容の意義を消滅させた

 

馬鹿なのかもしれない。

 

 

追記: 彼のモニコと無限アラームのおかげで何とか課題提出に間に合った。感謝。